2017年6月19日月曜日

ゲッタ街道散策会 6月18日(日)

里山探索(小荒戸集落~池之畑集落)

おにぎりと飲み物を持参して、いざ散策開始です。

「ゲッタ街道」とは、その昔(昭和30年代ごろまで)使われていた、下山、池之畑集落方面から、小荒戸集落方面を行き来できる道のことです。当時、道沿いには多くの田畑があり、耕運機や三輪自転車も走っていたそうです。学生にとっては通学路でもありました。冬の間も、それぞれの集落から道つけをして、松代中心部へ行き来するのに使用した、現在のような舗装された道路のないころの、重要な生活道です。おそらくこういった道は、それぞれの集落に、数多く存在しています。

40~50年ほど前からそこでの耕作をだんだんとしなくなったり、舗装された道も作られたこともあり、当時のように使われることもなくなっていましたが、この道を利用して地すべり監視が行われていたことや、数年前、里山保全事業として整備されたこともあって、今も通ることができます。

ということで、数年前から、小荒戸集落の方を中心に、集落風土を調査している方、松之山キョロロの研究員の方々と一緒に、集落内の草花や生き物、ゲッタ街道の調査が続けられています。

 朝10時、20名ほどが集まりました。

ゲッタ街道入口「のぼり口」と呼ばれる辺りに生えている「サイハイラン」
あの「采配」に似ていることからこの名前がついています。

ゲッタ街道は、「のぼり口」から始まって「源太(ゲッタ)」「花立(はなだて)」といくつもの地名があって、池之畑集落まで続いています。
小荒戸集落からは「ゲッタ」へ向かう道ということで通称「ゲッタ街道」です。

白い花が咲いて、赤い実がなる「ニワトコ」

いろいろな植物が生えていて、詳しい方が説明してくださるのですが、覚えきれず・・・。

葉の裏の葉脈が一部オレンジ色の「アブラチャン」は柑橘系のいい香りがします。パチンコ玉より少し大きめの緑色の実がなります。油をとっていたらしい?

途中、一部分にブナ林があります。
落ち葉のミルフィーユ。(去年登ったときの写真)
足元フカフカです。雨や雪などの水分がこの層にゆっくりと浸透して、ミネラル豊富な湧水となるわけです。
「ガンクロウ」と呼ばれる地名付近からの眺め。山の尾根道。
小荒戸集落、太平集落、菅刈集落まで見渡せます。
向こうの山の上には「芝峠温泉」も見えます。

大きなならの木。枝ぶりが、雪に耐えてきたことを伝えています。

 山頂でお昼ご飯を食べてから、池之畑集落の神社まで行ってきました。
松代地域には珍しい「鹿島神社」鳥居に文字が刻まれています。

小荒戸住民:「もっと下の方に神社なかったっけ?よくお参りに来たよ」
池之畑の方:「それは別の女の神様の神社、今はなくなちゃった」
小荒戸住民:「鳥居のそばに大きな杉がもう一本あったような?この辺に仕事に来た時、この神社で休ませてもらったよ」
みなさん昔の記憶を頼りに話が尽きません。

そろっと帰りましょう。

「下山、池之畑から歩いてくる女子生徒は、小荒戸手前で、もんぺから制服のスカートに着替えてたんだよ」
「学校帰りは、小荒戸にあったお店でパンを買って、食べながら行ったっけねぇ」
「畑のスイカがなかなかならないなぁと思ったら、どこどこの子が食べてたんだって~」

子ども時代に、この辺りの田んぼや畑を手伝って、あそび場にしていた世代のみなさんです。

さて、これは何でしょう?

正解は・・・マムシの「よ」(胆のう)でした。

マムシ自体、食べると精がつきますが、なかでも胆のうが一番、効くそうです。

散策途中に見つけて、頭を落として仕留めました。
皮をはいで、内臓を取って、身は焼いて食べさせてもらいました。なかなかおいしかったです。

その後、キョロロの方が、耕作放棄されてからの経年による植生の変化を調査したいと、下見にやってこられました。今年から耕作をやめた田もあれば40~50年も前に放棄された田もあります。
さらにその後、モバイルミュージアムを開発中という方々もやってきました。7月末に奴奈川キャンパスで講演会を行うそうです。
小荒戸にはいろいろな人が集まります。それぞれが専門家で、注目しているものもそれぞれですが、フィールドが「里山」という点でつながっています。

今、新潟県のお米と言えば「コシヒカリ」です。松代地域でも多くの田んぼがコシヒカリを作っているのですが、そうなったのは、ここ数十年くらいの話だそう。
以前は、田んぼの場所、性質に合わせて、いくつかの品種を作り分けていたそうです。田植え、稲刈り、乾燥(はざ掛け)とすべて手作業なので、早生、中生、晩生と作業時期を分けるのは、考えてみれば当然です。「それでも〇〇品種はおいしくなかったな~」という話をきけるのは、おもしろいです。実体験に基づいた話は、ここで暮らしていく者にとっては、どれも勉強になると思います。そういう話を専門家の方は集めて、分類したりして、誰もが見れる資料としてまとめるわけですね。専門家も魅力的ですが、実体験として伝えられる人間になりたいな~。

山に入ったら、食材を・・・。ぜんまいとミズがありました。
ぜんまいはあく抜き、ミズは、湯がいてきんぴらにしました。あくはなく、少しぬめりがあります。
散策会、お疲れ様でした。

そろっとホタルの季節です。

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